認知症について

2022年01月21日 09:53

認知症を知ることから始めましょう

相続対策を行なっていく上で、あるいは終活を行なっていく上で考えなければいけない重要な事として「認知症の問題」があります。
認知症対策を考える必要もありますが、本人や家族が認知症というものを知っていなければなりません、特に家族は認知症の発症の発見(これが結構重要です)から、認知症を発症した本人との日常の生活があります(家族の生活にも直接関わってくることです)ので認知症を知るということは重要なことです。
 認知症とは、脳に障害を及ぼす病気や怪我などが原因で、記憶・思考・感情などをコントローする機能に不具合が生じることで様々な障害が起こり日常生活に支障が表れている状態のことをいいます。
 認知症の症状は、中核症状と周辺症状に分けられます。更に、周辺症状は心理症状と行動症状に分けられます。
 中核症状は、物忘れに象徴される「記憶障害」、時間・場所・人の記憶が薄れていく「見当識障害」、二つ以上のことが重なると頭の中で上手く処理できなくなる「理解・判断力の障害」、計画を立てて順序通りに実行しやり遂げることができない「実行機能障害」、服を普通に着られないなど今まで当たり前にできたことができなくなる「失行」、近くにあるものが見えないなど様々なことを認識できない「失認」、言いたいことをうまく話せないなどの「失語」などがあります。このような中核症状は認知症を発症した全ての人にいずれかの症状が現れるようです。
特に「記憶障害」と「見当識障害」は早い時期から現れると言われている症状ですが、「記憶障害」はアルツハイマー型認知症の典型的に症状です。
「記憶障害」は最悪の場合、自分の家族の名前も忘れてしまうという恐ろしい症状へと進行していきます。 認知症になった親が、自分の子供の名前を忘れてしまう、その存在さえも忘れてしまうという状態になったら、子供たちはどれだけ辛いことか。
 周辺症状は、脳の機能が低下し生活が不自由になることによって生じる混乱や環境などによって発症する症状であって、「幻覚(心理症状)」、「妄想(心理症状)」、「徘徊(行動症状)」などの症状がありますが、中核症状と違い認知症を発症した全ての人にみられる症状ではないようです。元々の性格や環境、人間関係等が影響するようで、症状の現れ方や度合いには個人差があるようです。
 このような認知症は、発症原因等によりいくつかに分類されますが、日本人の認知症の発症で最も多いのが「アルツハイマー型認知症」といって、脳細胞が死滅して情報ネットワークが壊れるアルツハイマー病が原因で発症するもので、記憶障害や見当識障害が早くから出ることが多い認知症の一つです。
 そして、まだ完全に認知症を発症しているとは言い切れない症状、認知症の入口とでもいう症状が「MCI(軽度認知障害)」と呼ばれるものです。
「MCI」とは、認知症と診断できるほどの認知機能の低下はみられないが、年齢などからでは説明できない認知機能の低下がみられる状態といわれています。
「MCI」の段階では、家族からすると「何か変だ」という状況下でも「長谷川式スケール」では高得点であったりすることもあります。専門医も判断を下すのには難しい状況ということもありますので、すぐに何か具体的処置をするというより「経過観察」ということもあり得ます。
「物忘れ」ということで考えると「老化による誰でも起こる物忘れ」なのか、「認知症による物忘れ」なのか、例えるなら「老化という道を歩く」のか、「認知症という道を歩く」のか、ではその後の進行の具合が全く違ってしまいます。
 個人的見解ですが、「MCI」という症状はまだこの段階であれば「認知症という道」に入らずに「老化という道」に戻ることが可能であるといわれていますが、「MCI」という症状になってしまった段階で「軽度認知障害」という名のとおり「認知症という道」に一歩入ってしまっているのだ思います。ただ、急速に症状が進んでしまうのか、それとも老化現象によるものと区別がつかないくらい緩やかに認知機能が低下していくのか、これは「MCI」の段階での対応方法あるいは処置方法が鍵となると思います。
 家族がそれを意識して日常生活を送ったり、介護保険のサービスを利用したり、進行を遅らせる薬を飲んだり、症状に合わせた適切な処置(実際は試行錯誤になると思いますが)を施すことが大変重要なことになります。
 認知症は「早期発見」は重要です。本人の年齢・生活環境等を考え、家族の対応が重要となります。
そのためにも認知症とはどのようなものなのか知ることが必要です。
認知症に関する情報収集を行ない、認知症を知ることから始めてみませんか。

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